江戸つまみ細工とは
江戸時代から伝わる技法で、薄絹の「羽二重」を小さく正方形に切り、これをつまんで折りたたみ、組み合わせることによって花や鳥などの文様をつくる東京都指定の伝統工芸です。 正方形に切ったちりめん等の布を、ピンセントでつまんで一つ一つを作っていきます。
江戸つまみかんざし職人 穂積 実
昭和11年2月 | 福島県郡山市生まれ |
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昭和26年 | 上京。つまみかんざし名人故石田竹次氏に師事 |
昭和36年 | 独立。結婚。妻は故穂積和代。夫婦でつまみ細工の創作・製造開始 |
平成元年 | 東京都指定伝統工芸品指定 |
平成3年 | 千葉県指定伝統工芸品個人指定 |
平成11年 | 千葉県卓越技能賞授与 |
平成15年 | 千葉県市川市市民文化賞授与 |
現代では、主に、七五三や成人式の際に、女性の晴着のひきたて役として、髪を飾っていますが、その歴史はとても古いです。
つまみかんざしが誕生する以前、生花や紅葉の枝を髪にさした“花かんざし”というものがありました。源氏物語にも、この花かんざしを、髪刺(かみざし)と呼んでいたことが出ています。これには、“挿頭花”の文字があててあり、宮廷の集まりには男女とも髪や冠に髪刺をさして参席したということです。
“つまみかんざし”の名は、切手ぐらいの小さい絹の布きれを、指でつまんで作ることに由来します。江戸時代の初期に生まれ、その製法は当時とほとんど変わっていないと言われています。
百年以上もの歴史があるということで、東京都の伝統工芸に指定されていますし、千葉県伝統的工芸品としても個人指定されています。